ノート(ひとつ すぎて)/木立 悟
 





空の地図夏の終わりに書き終える



炎から炎をちぎる秋であれ



鈴の塔そのままの目に鳴りわたる



鉛筆で自害する夜のおだやかさ



隠れては現われる蝶うなじ踏む



刺す枝を握る手の血の描く秋



冬の指うつろをつなぐ御神渡り



さっきまでおのれさえ居ぬ冬をゆく






















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