青い列車/
たもつ
フェンスがどこまでも
長く続いている夏
午後、知らない所で
知っている人は逝った
乗客も乗務員も置いて
青い列車は海に向かって出発する
座席には誰かが忘れていった
大人用の眼鏡と
昆虫しか載っていない図鑑
悲しいことばかりではないけれど
悲しいことばかりのように
列車は海へと走る
時には一直線に
時には大きくカーブしながら
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