記憶の帰郷/
なぎね
過去というものは記憶の積み重ねで
時間というベールを幾重にも重ねてゆけば
どんな経験もセピア色に染まり
綺麗なオブジェの出来上がり
過去を溜め込んだ洗面器に
右手を突っ込んでみる
つめたい?
あたたかい?
気持ち悪い?
それが君だよ
君のなしてきたもの
すべてだよ
さよならしたはずの自分も君自身
おかえり
ただいま
この街は相変わらず
肌にまとわりつくようだよ
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