貝殻/
佐倉 潮
目の前に果てもなく
広がる海と
ちっぽけな私の胸とは
どうやら深き底で
繋がっているらしい
堪えきれぬ涙と
いっしょくたに力任せで投げ入れた
灰色の貝殻が波間に消えてゆく
そのかすかなエコーを
胸の奥でいま
たしかに聴いた
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