ホームステイ/北村 守通
 
ったので、私と同居するより快適な空間であるように思われた。
 ふと、まとわりついていた空気が流れ去り、体の周りが軽くなった。私は押し出されるようにしてトンネルを抜けた。彼女が居なくなったと思った。確証はなかったが、確信はあった。確証を得るために何をするべきかはわかっていたのだが、それを今行うことは適当ではないように思われたので、しなかった。
 
 私は十分な距離を進んでからトンネルをふりかえり、お別れをいった。けれどもやはりトンネルとコミュニケーションをとることはできなかった。
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