ホームステイ/北村 守通
いては楽しみという空間を構築させるだけのスペースが既に存在しなかった。。なんとも言えない閉塞感のために、私のため息の数は一日に必要な適正な回数を超えるようになった。おかげで、私は鏡の前で自由にポージングをきめることもできなくなっていた。
私は決意した。
十分に暗くなるのを待って、私は古びれたトンネルに向かった。途中、カーブミラーを確認してみると、彼女はやはり私の後をついてきていた。車の通りの少ないその道を一人で歩くのはあまり気持ちの良いものではなかった。正確には一人ではなかったのだが、コミュニケーションをとる術もない状況下においては一人であることと変わりはなかった。
トンネルは真っ
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