わたしが わたしで あるために/るるりら
やわらかく はかない 無数の命
かつては 命だった 貝殻の浜辺
うちよせられるのは わたしではない 生き物たちの
情熱と悲しみの結晶ばかり
やさしい法則で うちよせられる波のむこうの 青
ジェリーのように 艶やかな 一個の地球が
ジェリーのように 艶やかな 一個の恍惚が
ジェリーのような 一個の恍惚が
それぞれの生き物のために それぞれに用意されていて
その恍惚の卵は
いつも、真っ暗な それぞれの宇宙の中で たゆたゆと 揺れながら
秘密が明かされる日を待っている
おなかが空いたとか そんな ちょっとしたピンチのときに
大切
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