母/小川 葉
 


こうそくバスのりばで
わかものがははに
みおくられている

ふりょうに
からまれんなよ

ははにそういわれて
わかものはうつむき
てれてわらった

それをみてわたしは
いますぐに
バスをおりたかった

あのひ
おりていればよかった

けれどもわかものは
あのころの
わたしとおなじように

ははにてをふり
みえなくなるまで
てをふりつづけるのだった


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