傷/
きりはらいをり
そこに何があるのか
もう分かっています
見ないほうが幸せだってことも
それでも蓋を開けてしまうのは
貴方のどんな醜い姿も
この目に焼き付けておきたいからで
やはり 恋でしょうか
それとも 馬鹿でしょうか
そうして私は
昨日と同じ傷を
昨日と同じところに作って
傷は痛むけれど
溢れる血は甘く
傷は深いけれど
きっと最後には痕も残らない
やはり 恋でしょうか
それとも 恋でしょうか
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