浅尾リレー/にゃんしー
ネクストバッターズサークルの新井が
ホームランの夢を見ているとき
マウンドの岩瀬は
スライダーの握りでサインを待っている
バッターボックスのマートンが
ほほえみながら地面をならすとき
ダグアウトの落合は
カクテルライトに照らされる投手コーチにウインクする
この名古屋ドームでは
いつもだれもが浅尾を待っている
ぼくらは浅尾リレーするのだ
イニングからイニングへと
そうしていわば交替で中日を守る
9時過ぎのひととき耳をすますと
どこか遠くでミットの音が鳴ってる
それは浅尾が送った157km/hを
谷繁がしっかりと受けとめた証拠なのだ
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