幸福の条件/チャオ
最近まで、電話回線をとめられていた。つくづくお金がないとやっていけないと思った。かといって、手段を選ばず金が欲しいってわけじゃない。つくづく俺はわがままなんだと思った。
ようやく、給料が入って電話回線をつないだ。物事が、いい方向に動くことを願ってやまない俺は、神社へお参りへ行くことで安心する、軽い人生を望んでいるのかもしれない。電話回線がつながれば、宝くじの一等の当選番号が教えられるのではないかって、ひっそりと考えてみたりしていた。
街へ出れば、選挙がどうの、居酒屋がどうの、仕事がどうの。否が応でも耳にはいる会話は、決して捨て去れない俺の身代わりだったりもする。途切れがちな俺の瞬きのた
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