夢の庭/佑木
 
おじいさんに ばらの枝を もらった

「土に挿しといたら 根が生えて
           やがて花が咲くよ」
と言われた

素直に 土に挿して 水をやった

春になったら ぐんぐん芽を出し
自分と同じ背丈くらいまで 成長した

「おじいさん だけのことはあるな 」
と 緑の鮮やかな葉をみる

枝は梅雨時になってピンクの花を
たくさん 咲かせた
夢の庭のように    天国のように

きっと大木になって ここが森になる
ような気がした

夏になると カナブンがやってきた
ある朝 ばらは 枝だけになっていた

冬になっても枝
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