はじめまして、さようなら/折口也
さようなら、
夏の日の空のした
遠く旅立つ君の後ろ姿に。
何度もさようならを
繰り返してきたけれど、
このさようならが最後なんだね。
いつか、また会える日があるなら
馬鹿みたいな一言を言って
昔みたいに笑いあいたいな。
同じ笑顔で心をひとつに。
はじめまして、
その一言を言ったのはいつだろう
あれから、どれほど経ったのか
もう数えきれない程の
距離を歩いてきた。
たとえ、この先
誰かに、はじめましてを言っても
君とのはじめまして以上の
はじめましてなんて
もう、ないだろう。
はじめまして さようなら。
このふたつの言葉の間の空白に
僕たちの日々がある。
その日々を胸に君を語ろう
同じ日々を共有してきた
君を忘れないために
今、そばに居る気持ちで
今、語りあう気持ちで。
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