夜の遠くから/折口也
 
夜の遠くから
僕を引き寄せる引力が
静かなおしゃべりのようで
ひとりぼっちの空に誘い出す

誰もいないはずの
夜の遠くへ
メッセージを僕は返信している

夜の遠くから
ほんのりと吹く風が
夏の夜の匂いを連れて
ひとりぼっちの記憶に染み渡りだす

誰もいないはずの
夜の遠くから
メッセージを僕は受信している

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