玉蜀黍/乱太郎
 

玉蜀黍

玉杯を挙げながら
君の衣剥ぎ取り
下弦の月に捧げる

濁っていたかもしれない
闇に光る眼差しも
火照った君の肌に淡く溶け出す

黍の甘さがそのまま
横たえた身体から呟く
かじりつく毎に

玉蜀黍
生贄のように
玉蜀黍
悪女のように

玉蜀黍
君を載せ
君を抱いて
無言の夜長を過ごす
戻る   Point(16)