玉蜀黍/
乱太郎
玉蜀黍
玉杯を挙げながら
君の衣剥ぎ取り
下弦の月に捧げる
濁っていたかもしれない
闇に光る眼差しも
火照った君の肌に淡く溶け出す
黍の甘さがそのまま
横たえた身体から呟く
かじりつく毎に
玉蜀黍
生贄のように
玉蜀黍
悪女のように
玉蜀黍
君を載せ
君を抱いて
無言の夜長を過ごす
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