夏の地図/
まんぼう2
山陰線沿いの小さな町で
夏祭りの夜
フクロウが飛んだ
神話とは何の脈絡も無く
舞台では
痩せた若者が舞った
(高速バスのキップ代が
案外と高かったから)
トントンと踏み鳴らす細い脚
長い袖をきりきり巻きつけた腕
(土産は買わない)
エノキの根もとの
小さな穴から届いたのは
アブラゼミの羽根に隈取られた夏の地図
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