風景の記憶/真山義一郎
風景は記憶を宿している
だから俺は
ゆるゆる
その風景に
流れ込む
いつも路地裏
猫がいて
丸くなって目を細くして寝てる
気持ち良さそうに
俺は雪駄で歩いていくだろう
そうだ
季節はいつも
夏
太陽が百個くらいあって
光が爆発してる
福山雅治によく似た
イケメンの山本さんが笑ってる
んで、ヤリマンの美穂がいて
そして、
お前がいる
あの三階の小さな部屋に
お前は派手な花柄のTシャツに
黒いスパッツで
下半身に張り付いたそのスパッツに
お尻に
曲線に
俺は頬ずりしたくなる
お前は笑う
昔の姫君のような顔で
お前は人
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