俺は…/折口也
俺はくしゃみをする
人混みのなかで誰も気付かない
ひっそりと雲の間に間に
太陽だけが俺をみてる
それは確かに沈黙に語りながら
俺はあくびをする
退屈な演説の聴衆の中で
青空は甲斐甲斐しく
そのざわめきを吸収する
それは遠い光年のかなたへ解放するように
俺は何者かに好きだと言う
静寂の夜のどこかで
けれどその意味は
どこか有象無象のこだまを
胸のうちに残してゆく
俺はそして水を飲む
消えかかる灯火のゆらぎ
ほのかな影を見つめながら
不可解な自我を
紐解こうとして
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