○△□×○/水町綜助
放射状のかがやきを
足元に照らして
僕は背を向けて見上げて
そいつは頭上はるかに月を戴いて
ひとみはうすく
閉じられている
どんなに苦しいだろう
これがきえてしまう夜に
なりやまない
数えきれず重なる音と
青白い光の中にふわりと
持ち上げられて
あの煙のように
休日、
そいつの家で目を覚ました僕は
そいつが仕事に行くのを見送って
そのまますこし眠って
そいつのほとんどルーツみたいになってる
「おしまい」って名前のマンガ読んで
そいつの働く店で
ココナッツミルクと
ココナッツカレー
「ありがとうございましたー」と鳴くそいつを
働くんだ、とうつむ
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