異星の客/天野茂典
 
レツな猿は高度な知能を持っている
  モウレツな猿はユーモアが大好きだ いつも冗句を言っている
  モウレツな猿は天文台と宇宙開発に積極的に関与している
  モウレツな猿はあなただ この詩を読んでいるあなた自身だ
  どこか思い当たるところはないか 自分が異星の客であることに
  あなたは巨大な組織の中の孤児なのだ
  たった一つの遺伝子なのだ その尊さにおそらく気づいているだろう
  ふつうの人間社会は滅びつつある
  ふつうの人間社会はせめて月に足跡を残しただけだ
  ふつうの人間社会にはユーモアが少ない
  ふつうの人間社会はピュアな恋愛感覚を失っている
  ふつうの人
[次のページ]
戻る   Point(4)