イギリス/梶谷あや子
 
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あなたに話をしたかった
私達がすっかり醒めてしまうまでに
いつか、あの透かし模様に浮かべていた
神様を
横たわらせた小指の こと


遙か 一瞬で過ぎ去ったものを
かつてあなたが、少し忘れてしまった時に
私達はいた
いたけれど教えることはなかった
その手をとって
命の鍵を ひとつ


穿たれた二つのひとみから
洗い流す雨と
いま、あなたを見ていよう
夢から醒めるのを
私達は待とう
あなたは あの日
自分のすべてをさらけだそうとするが
それは
愛ではなくて、ほかに何だと言うのだろう





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さあ、考え
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