師匠/salco
け
じゃこ煮干しを頭だけ残して
涼しい顔
あらゆる窓と網戸を開け
殺した雀や鼠を持ち帰り
知らん顔
気が乗ると屋内でスプレー活動
飼い主の寝顔にもして
したり顔
車を止めて
ヘッドライトのセンターでノラと喧嘩を続行し
負け帰っては
輿に乗せられ獣医の家計に貢献してやった
「仕方ないだろ?
子どもの頃ちんたま抜かれたんだから」
十二歳の秋、食べてはもどすようになり
毒物でも敗血症でもなく
脾臓が腫れて見えるが原因は
試験開腹しないとわからないと言われた
麻酔と切開に耐えるかも不明だと
輸液と看護を頼んで5日後
婉曲に打つ手は打ったと職場に電話が来
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)