夏の日に/ささやま ひろ
防風林を挟んで海
時おり見える青があって
暑い暑い夏のまっすぐな道は揺らめいて
あの水たまりみたいなものは何?
たまに見るよね すごく不思議
あれは逃げ水
蜃気楼の一種さ
逃げ水を知らないなんて
僕よりもずっと博学と思われる君には
時おりこんなことがある
いつも追いつけないよね
絶対に追いつけないさ
絶対に?
うん、だってあれは光の屈折だからね
絶対はないって言ったじゃない
確かに言った
う〜ん、そこでそれきたかぁ
あ、でもまてよ
僕の絶対を覆したのは君だった
いとも簡単にやってのけて
ね、そんなものよ..って
僕の心をあっという間にさらっていった
きれいごとばかりじゃない
けれど
それだけでもなかった
君が教えてくれたこと
一人じゃない幸せ
夕立がくるその前に
逃げ水踏んで水しぶきをあげよう
アクセル全開にて
いざ
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