溜め息ついて/ふるみ
 

手を広げ、伸ばして
指は五本ずつ
手の平や腕の、
サイズはそのまま
だから、空を切る
たいがい、さらうのは
大まかな、感触のみ、だが

あたるなら、求める
見当たらないからか、
歩む、灯りをみつけ
見上げると、みずから
眩む程のモノも無くて
何を失ったのだろうと
さわり始める、空
考えられない足は
また、やみくもに

あるものには、無表情
あるものは突き刺さる
貫きとおして這い回る
虫のように干からびて
ちって、ちってちって

くたびれて、唾を吐く
流れ出た息は、一筋
まっすぐ伸びて、又
月に向かいだす、又、
明け方、あたりをつけて
気配の、いまにも
消え入りそうな…
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