愛の夏ーとあるあいすべき捨て鉢猫への想い/水町綜助
ませている
声を
俺のからだを
腰に顔をうずめて
うなずくように
めをつむって
あいしてるのを
薄く目を開いて見ながら
きいてる
きっと
さいごひとつのドロップみたいに
甘くて悲しい
不幸をさしだす
それをやわらかく手に受け取って
流れて冬へ、
舐めて
溶けきる前に
奥歯で噛んで
この愛の夏
そのかたちもなく
帯もなく
時間もなく
わずかで
余りある
重さも
軽くもなく
暗くも
炸裂して明るさもわからない
緑と青の炸裂した
黄緑色の世界で
きっとなにもかも
朝と夜の空みたいに
明け方
反転しちゃうから
もっとちかづいて
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