ブランコ/小川 葉
 


ブランコにのろうとした
そのときだった

いちじんのかぜがふいて
ブランコをゆらした

たくさんのこどもたちが
ひとつのかぜになって
はしりぬけたかのように

わたしにもあるはずの
そのからだをくすぐり
かぜはにぎやかにさっていった

ブランコは
かぜをおいかけることもなく
ひとりゆれている

ブランコはいつもさみしい
かぜにふかれているときは
わたしも


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