とりあえず生中/ガマパックン
 
白い月を横切る飛行機雲
塩素の匂い
ブラウン管に映る
よく焼けた高校球児
汗をかいたペットボトルの
清涼飲料水

耳を澄ましながらただよい、沈んでいく
午前0時
整合性の海の中で
私だけがつじつまがあわないから
米を研ぐ

日差しに乾いた
洗濯物の
やわらかい匂いにさそわれて
白昼夢を見ている間に
焦げた肌の
鈍い痛み

私の体の中を
循環している
動脈と静脈

対極の図に頭をひねり
疲れた目に
薬をさそうとしたら
ただまたたくばかりの
星が見えたから
とりあえず生中
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