頬杖ついて花火を見た/はだいろ
 
の「親父の王国」がすばらしかった。
ぼくも、
つい、
部屋の引き戸を開けたら、
地下へつづく階段があって、
扉をあけると、
小学校の上履きを履き替えるところで、
死んでしまった同級生と、
よー!
おはよ!
なんて、
一日のきらめく冒険の相談をする気分になった。


浴衣の彼女を連れて歩くのは、
いい気分だったけれど、
こうして、書いていると、
なにか、
素敵な彼女のような気もしてくるが、
それは明らかに錯覚で、
ぼくは、
恋というのは、
その人といると、
音楽が流れるということではないだろうかと思う。
彼女といても、
何の音楽も流れてこない。
だからこそ、
自分が歌えるのかもしれないけれど。







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