金魚すくい/
田園
ひらひらと水にたゆたう金魚
その小さな赤が目に焼き付いて
あの日の浴衣、後ろ姿をリフレインさせる
僕はあの子の白い手を見て
隣にいる誰かを見て
佇んだ
友人とたこ焼き屋に並んでる最中だというのに
まるで水の中
金魚はたゆたう
僕もまた。
小さなさざなみにゆらゆら揺れる
君は誰かのものだった。
戻る
編
削
Point
(2)