水平線/花キリン
海の想いを平面図にすると水平線は出来上がる。音もなく日が昇り日が沈む。超小な姿は大きな船だ。角度は180度。波頭がときおり白い笑顔を見せる。二つの目だけでは平面図の全てを包み込めない。平面図の上には波の高さが置かれている。大きな船を持ち上げるどんな力が隠されているのだろうか。ときどき草原の風が一方向からやってきて、平面図の骨格がずれるように水平線が斜めに身構えるときがある。一直線に伸びた方向性の先にあるものが緊張する瞬間だ。キラキラとした希望は、日が昇る瞬間に生まれ日が沈む瞬間に消えていく。平面図の上にある水平線は強い意志を持っているから、水平線のなだらかな言葉をたどっていくと、行き着く先はあの大きな船にたどり着くのかも知れない。
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