換気扇は回るよ、あの日の風車のように/はだいろ
有給休暇(というか、夏休み)をなんとか2日取り、
新幹線に乗って、
ある地方都市のセクキャバへ出かけた。
どうして、駅弁というのは、
列車が動き出さないと、開ける気にならないのだろう。
車窓から、
知らない人たちのそれぞれに暮らすアパートの、
テラスに干された布団などを見過ごして、
仕事を、やめるべきなのか、
やめるべきでないのかということについて、じっと考える。
そのとき、
ぼくの思考というのは、こうゆうふうに向かった。
もし、
ぼくが、このまま、
山本五十六のように、
耐え難きを耐え、
忍び難きを忍び、
60歳の定年まで、まるで、
生きた心地もなく、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)