八月の証明/さき
 
き物としても
もう
終わったような気がしていて
いつしか
田舎にも
実家にも
帰ることが出来なくなっていた
いや
帰ることが出来ないぐらい
働くことで
許してもらいたかった

夏を待ちわびた
あの頃は
どんなに日焼けしても
気にならなかった
だから
服をたくさん脱いで
愛と恋の
八月を生きていた

今は
ねえ
それでも


昔は
やっぱり
もう




意味なくしては
生きられない
八月

まだ
生きている

まだ
生きている








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