返してくれ。/月山一天
「あなたは幼稚すぎる。」
ほとんどの面で幼稚すぎると叫ぶ。
昨日彼女は帰って来ず、
ぼくに会うとたん、これだ。
なんだか心も身体もしびれて
感覚がない から、
ただ聞いていた。
そのやわらかな唇から
流れ出す狂気は、
愛していると言った
のと同じ、その唇。
その小さな身体から
流出する嫌悪、
ぼくの愛した
その、
小さな
身体。
僕の周りに
死体のように転がる
思い出や
笑顔
未来、
君にはきっと見えない。
僕はだだ聞いていた、
傷つくとか、
傷つけるとか
もう気にならない。
ただ、僕は
平穏な生活が戻って来てほしかった。
好物の酒やダ
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