日々/そよ風
 
悲しみの海で、一人船を漕いでいる。

たどり着けそうな島もなく。

日が登り日が沈む

目の前の困難をやり過ごすだけの肉体。

細い指も、白い首もなんの役にもたたず。

ぼーっと虚しく浮き上がる。

昨日と今日の境もなく、肉体と精神の境もなく、この世とあの世の境もない。漂うだけ。

確認できることは、夕陽が沈むときに頬を流れる涙。

人はなぜ涙を流してはいけないと思うのだろう。涙をこぼさぬように、こらえると、胃の上の辺りが、哀しいと主張する。

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