まちびと/
月見里司
春過ぎて何も知らない通学路柳の下に制服の待つ
まぼろしの夕立にまた軒を借り二本の傘を携えて待つ
図書館の掲示と地方紙の弔事また絨毯の赤は褪せきる
雪に黙りマッチで煙草に火をつけてマフラー巻かず肩をすぼめる
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若竹にこの花咲くやと問うたれば岩の永きの如くと返り
//2011年8月1日
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