モーニング/リンネ
めざめた光を、
うらがえった傘へ、
こっそりと収穫する、
路地裏のコートを着て、
ビー玉、が降る、
午前中のわたしの背中、
すくいとれないほどに水たまりが、
あふれる、
通行人の足音を通り抜けて笑った、
風に洗われたコップのような、
目が空に向かって色を、
こぼして、
ぬれてしまった、
猫は流れて、
牛乳びんから、
にゃぁ と、
蒸発したよ、
皿の上の太陽に、
見知らぬ卵黄が、
一瞬光ってまぶたを閉じる、
あふれていく、
忘れていた時間がするりと伸びる前に、
卵をひとくちに飲み込んでしまえ、
洗いたてであることを呪って、
食器たちがまっしろに、
消えてしまうのよ まもなく、
戻る 編 削 Point(4)