朝起きて/吉岡ペペロ
 

これじゃいままでの恋とおんなじじゃないか

あたしだって必死だったんだ

必死であればわかってくれるはずじゃないのか

生命が、あたしのことわかってくれているように


朝起きるとあたしはまず確認する

あいつのことに依存していないか

打ちのめされたボクサーが

テンカウントのあいだに

ダメージをはかりながら立ち上がるように


だからあたしはあいつを遠ざけたんだ

あたしだって必死だったんだ

必死で遠ざけ打ちのめされていたんだ

あいつの痛みに

ほんとうは気づいてあげられないくらいに


だからあいつはあたしのこと嫌いになってしまった

あたしがあいつから完全に独立するまえに

あいつがあたしへの思いから飛び去ってしまった

まるでいつかあたしが望んでいたように



これじゃいままでの恋とおんなじじゃないか

あたしだって必死だったんだ

必死であればわかってくれるはずじゃないのか

生命が、あたしのことわかってくれているように




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