このまま/折口也
 
このまま
私は朝日を記憶して
今朝のコーンスープを味わい
日差しをスペクトルに縁取る
一杯の水に潤いながら


このまま
私は子供たちのこだまする
無邪気な朝の空気を吸い
街路樹の緑に
手を翳しながら

いつのまにか
気付けは居なくなるだろう
その空席にはまた
誰ががやって来て…

多分、自分でも気付かない
居なくなった事にちっとも
テレビを消したあとの
暗がりのように…

戻る   Point(2)