我が忘却/散布すべき薬物の所持2
アスファルトが隆起して
改竄された曖昧を破壊する
眠気と吐気に堪えながら僕は
ドグマチールを噛み潰した
張り巡らされた配線が内臓を嘗めている
コールタールを胃袋に流し込み
目眩のする明晰夢を見ながら
僕の血は汚されていく
ふと空を見上げると
月経のように真っ赤な空で
緑や青の四角い太陽が幾つも浮かび
空中散歩の人々がもがき苦しみながら
見えぬ空洞に(或いは巨大な口に)吸い込まれていた
かくように
僕の先天は簡単に覆され
抗鬱剤に操作される
手足は遠くからやって来る倍音に引き摺られ
呪詛憑きのガンドすら能わぬ
偽者の水商人に連れられながら
首の無い駱駝が星達を見た
ああ
我が赤い惑星よ
我が陰徳の宝物庫よ
と呟く
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