きみとあの人と/みぞるる
 
さようならは
言うのもするのも簡単で
儀式の魔力にとりつかれた

きみがどこにいて
わたしがどこにいて
そういう二人の居場所の
重なりあいで
やっと
世界の輪郭がぼんやりできあがる

空の青さはときどき他人行儀だし
その下で花も水もあの人も
わたしに他人行儀で息を吸う

きみがどこにいて
わたしがどこにいて

この声、聞こえていますか?
本当にさようなら
さようなら

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