殺りく愛/しもつき七
水浸しの裸を抱いた。夜のどくどくと凪いでいる日々だった。
川はあかるく光を受けて、真っ赤に血液のようにきっと球体をはこ
んでいく。すべての一過性がここで収縮している。看取り、看取ら
れして、色んな平穏とか従順とか、子供時代までもが、性愛にまじ
って死に絶えたのをしっていた。
血、眼、球
どこまでも黒く濡れた髪、頬にかかる、鎖骨のしるし。内臓がしき
りにふるえているような気持ちがする。平たい切っ先をおしあてて、
薄い皮膚のページをめくる。美しいからもう視力はいらなかった。
西日が射す、絶対的な、これが悲しみ。
嫌いになってほしい。毎朝、夜が
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