りょう/いきる/かんな
滑るように季節は過ぎて
そう
望みながら呼吸を
いっしょうけんめいくりかえしている
君にであって
こんなにもこころが溶けだして
やわらかさを増しているのは
しなやかになったのか
それとも
つよくなったのかと空にきいてみた
疑問や否定はいらないから
断定のことばを重ねてほしい
重ねられるものと
重ねられないものと
重ねてもどうにもならないものと
それらの狭間で
君の手はおおきくて
指はほそい
私の手と重なることで
なにかをつかめると信じている
君にあいたい
確かなものなどないけれど
確かめたいものは山ほどあるから
この夏を
追い抜いていくよ
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