心星/るるりら
 
風は ふいに吹いて 窓を叩く
黒板の向こうに 鯨がゆく
地学の時間のあくびと 古生代
わたしが 海から来たのなら
うたたねで見た あの鯨は 真実、わたしの古い友人だ
だれかが私を呼んでいる たしか寝ぼけているのだけど
声が聞こる
【おいで
 わたしは、闇だよ。やみくもに闇さ もっと深くへ 】
わかってる あれは私の本心 なんどもなんども 聞き飽きた

天体の時間 星は またたくまに はやく回り 一点だけ止まっている


歴史の時間 人々に賞賛された歌の数々
時代を超えた おおらかな友好 
僕の心は闇だとしても
光をみた人の影を追える
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