空が私に近づいた/朧月
小さな頃は
空は遠い存在で
夕焼けに真っ赤に染まるとき
なぜかさみしくなりました
いつから
こんなに近くなった
手を伸ばしてつかめそう
雲がもくもく語りかけ
すいこまれてゆきます
だれかに認めてほしいの
心だけ泣いている
中途半端な手のひらは
君をとめることもできない
顔をあげると空があって
音もたてず心の窓があいた
瞳から汗がながれだして
ごめんなさいの想いにひたる
歩いてく
そうつぶやいた
後ろへは進めない人生
だれかに変われない代わりに
だれかの意志をひきついで
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