生誕するもの/寒雪
 
まどろみの中
うつろな表情を隠さず
診察台の上で
恥ずかしげもなく
両足を広げるおまえの
肉襞をかき分けようと
クスコを無造作に突っ込んで
中を見るとそこには
無数に散らばる
光り輝く宇宙の星たち


不意に視界が暗くなるので
飛びのいてみると
股の間から
小さく泣き叫ぶ悲しみが
これから先大きくなっていく
おまえの不安に
おれは軽く投げキッス


みんな知っていたことさ

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