半夏生/砂木
回線の影が鳴り始める
たくさんのおまじないを用意して
咲かせたい花があった
くるくるとダイヤルをまわす
つながらない番号はないはず
私だけ 年をとってしまったわ
陸橋を運転しながら アクセルを
飛ばしすぎてやしないか考えた
昇っている太陽だって
とても遠くにあるのだから
こんなにまぶしくても焼かれても
共に生きる事はない
私だけ 私だけ 年をとってしまったわ
そこの道を真直ぐに行って 右に曲がると
おいしい串カツ屋さんがあってね
是非 おすすめなの
オー ファイト オー オー オー
泣けない私の代わりに 泣いてくれたあなた
どうしてあ
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