水を飲む/yo-yo
 
毎日ぼくは、琵琶湖の水を飲んでいる。
といっても、湖水を掬って飲んでいるわけではない。
琵琶湖の水は、瀬田川から宇治川へ、そして淀川となって大阪湾に流れ込んでいる。その途中で取水され浄化されたものが、水道管を通ってわが家まで来る。それをぼくは蛇口から頂戴する。
ただの水道水を飲んでいるのだ。けれども時には、「ああ、琵琶湖の水を飲んでるんだなあ」と思うことがある。

この水がめは、とてつもなくでっかい。
まわりの山々の連なりを想像しながら、ときには青い山に分け入り、山頭火のように「へうへうとして水を」味わう。
そのとき水は、ただの水ではなくなる。

水によって生かされているのは、ひ
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