インセクトライフ/yo-yo
 
、虫もいのちを、ぎこちなく生きている。
虫にならなければ解らないことだった。

ふしぎだ。目をつぶると空が見える。
不確かな記憶のように、大きくて白いものが浮かんでいる。
やがて消えてしまう夢のかたちに似ている。
夢ならば、明日にはほとんど忘れているだろう。明後日にはもう思い出せないだろう。
夢もいのちなのだろうか。虫が、虫の夢を忘れ去ったら、こんどはヒトの顔をして歩き出すのだろうか。
いまは、草の匂いのするあの雲を齧りたい。






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