コバルトブルー99%/ピッピ
もそれが、同時に恐かった。「存在すること」を拡張するのが、とても恐かった。この世は、コバルトブルー99%。存在しても、しなくても。そんな色のような気がした。
あるとかないとか、こだわりつづけることで、その具象は存在していると暗に肯定している、と誰かが言った。そうなのかもしれないね。僕らはそうやってまた、あるものばかりを肯定し続けているだけかもしれない。ないものはない。いつまでたっても。
そうして、僕らはいない。忘れてくれ、という残酷なことばを残して、僕らはいない。きっと、どうでもいいような、存在しない場所の、そのまた外側で、僕らはただ、存在したいなあ、ということを口に出した。それだけなのかもしれない。そして、それがふと、あなたの耳と、何らかの原因で「繋がって」しまったなら、僕らはそれを、謝らなくてはいけない。ごめんなさい。忘れてくれ。
あなたの住んでいるコバルトブルーは、僕らには眩しすぎる。忘れてくれ。さようなら。
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