雨/ぎよ
 
燃え上がる雨が歩道橋の影で愛をささやく
そのとき私は溺死する
空の転轍使は静かな寝息をたて
鳥たちにあいさつをおくる
ガラスの森では巨大な蟹が雨乞いをし
それを見守っているのは私の愛する女だ
ひまわりには星が寄りすがり
女の髪は川の流れとなる
ああなんて素敵なのだ
今夜私は傘を捨て去ろう
そしてその透明な接吻を一身に受けよう
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